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2008年10月 7日 (火)

羊水検査

今から8年以上前のことですが、双子妊娠中に羊水検査をすすめられました。

私が妊娠したのは36歳の時、その年齢ゆえ検査がすすめられたのだと思います。

羊水検査は子宮に長い針をさして羊水を吸引し、胎児の染色体や遺伝子異常の有無を調べる検査です。

単胎妊娠の場合でも羊水検査の副作用で流産をひきおこす確率が1/200から1/300と言われているうえ、多胎妊娠の場合はさらに問題がありました。

羊水を取り出すために子宮に針を刺す際に、胎児を傷つけないよう超音波で胎児の様子を見ながらやるのですが、一人の胎児のかげに隠れていたもう一人を傷つけてしまう可能性も高いとのこと。流産の確率はさらに高くなるとのこと。それに万が一、胎児の一人に異常が見受けられた場合、その一人だけ中絶するわけにはいきません。もう一人も一緒に堕胎しなければならないのです。

そんな説明をお医者さんから聞いて、私たち夫婦は悩みました。羊水検査を受けるか受けないかは最終的には親となる私たちが決めることです。

夫はあれこれ情報を集め、ある晩、二人でとことん話し合いました。

検査を受けずに障がいがある子が生まれるリスクと検査によって子どもを失ってしまうリスク・・・

その時、私が強烈に感じたのは「この子たちを殺させたくない」・・・そんな気持ちでした。今、おなかの中にいるまだ見たことがないわが子、どんなことがあっても守りたい・・・理屈ではなく、本能的にそう思いました。

夫は私より冷静に考えていたようですが、話し合っているうちに、障がいがある子が生まれることはリスクなのか、いや僕たちにとってはそうではない、と考えるようになり、もしそうなったら、その子には「天使」と名付けて親としてできることを精一杯やっていこう、と言ってくれました。

二人とも強い意志をもって、検査を受けないことを医師に伝えました。

多胎という状況、高齢な出産という状況、そして35週での出産という状況で、私たちは死産も含めてあらゆることを覚悟しました。

結果、生まれてきた子供は1800gと2300gの小さな赤ん坊で、胎内で成長がとまってしまった1800gのサーヤの方は心臓に若干異常がありましたが、二人ともスローペースで成長し、今では元気で小学校に通っています。

小学校の担任の先生との個別面談の際に「ご両親から何か気になる点などありませんか?」と問われた際、「普通に成長して、普通に学校に通っているだけで御の字なので、それ以上は何もございません」と本気で答えてしまいました。先生はもうちょっと教育熱心になってもいいんじゃないの?と思われたことでしょうね。

実際に障がいがある子の親になっても、妊娠中に決めた覚悟のように過ごせたかどうかはわかりません。きっとそんな生易しいものではないと思っています。

けれども、ひとつだけ認識したのは、流産のつらさです。それまで妊娠初期に流産してしまったという話を聞いても、子供をなくしてしまった親御さんの話より正直軽く受け止めていました。また妊娠の機会があって、その時無事に生まれればいいな、と思うぐらいで。

検査によって流産となるかも知れないと聞いた時は、生まれた子供を失ってしまうおそれと同じぐらい脅え、考えただけで胸がつまり涙があふれ出ました。おなかの子は私にとって、生まれてきた子どもと同じ重さをもっていたのです。男性にはきっとわからない感覚だと思います。

流産で生まれてくるはずの赤ちゃんをなくしてしまった女性には、お子さんをなくしてしまったお母さんと同じように接してあげてください。本人にとって流産はとても重過ぎるできごとなのです。

結果として流産しなかった私がこんなことを書くのは筋違いかも知れませんが、「ワーキングマザースタイルに」村山らむねさんが書かれた記事を読んで書かずにいられませんでした。

(追伸)この記事は羊水検査や羊水検査を受ける方を非難するものではありません。状況によっては必要な検査だと思います。誤解を生む表現がありましたらお許しください。

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コメント

ご無沙汰してます。毎日楽しみにしてます。
今日の話題は、私もすごく気になってたのでコメントを書かせていただきました。
親友が、ふたごちゃんのママと同じく30代後半で初産を迎えることになり、高齢出産になるからと羊水検査を受けたいと話してくれたのですが、私自身は3人の子どもを20代で産んでたのであまり考えていなかったことなので
そんな時代なんだな、と感じました。
夫婦で検査を受けることを決断し、流産する可能性があったとしてもそれは夫婦が受け止めるしかないことだと思います。冷たいかもしれないですが。
ただ私が思ったことは、もし検査の結果、障害を持った子が生まれるとわかった場合に、その命の選択をどうするのだろうと。その資格があるのだろうかと・・・。
とてもむずかしいことですよね?
彼女がどんな決断をするかはまだ聞いていませんが、安易に決めずしっかりと考えたうえで決めてくれたら、と願っています。

投稿: kanoまま | 2008年10月 7日 (火) 20時46分

kanoままさーん、いらっしゃいませ。
ご無沙汰してます。最近、更新さぼり気味でごめんなさいね。
ちょっと重い話を書いてしまいましたが、コメントいただきありがとうございます。
お友達の選択を私は否定できませんが、私と夫がひっかかったのも「命の選択をしていいものか」という点でした。でも、いろいろな状況のご夫婦がいらっしゃるので、私のような甘ちゃんが声をはりあげていう資格はないのかも・・・と、歯切れの悪い言い方しかできません。本当に難しいです。

投稿: komaru | 2008年10月 8日 (水) 05時52分

双子妊娠の1年前、23週で娘が生まれてしまい、生後10日で亡くなりました。これが日本なら生存の可能性があったと思っています。日本の新生児医療は世界最高レベルですから。
しかし香港では、中国人的考え方なのでしょうか、治療中止を何度も進言されました。医師に治療する技術も意志もなく、病院には治療薬も専門設備もありません。それでも娘を諦めきれず、私1人で治療中止に反対し続けていました。
ところが、別の医師が私を非難したんです。「あなたは間違っている。本当に子供のことを思うならこの苦しみから解放させるべきだ。子供は苦しいと言えないだけで苦しんでいるのだから。万一、成長出来たとしても重い障害が残る。障害児を育てられるのか」と。
私の場合、娘を失った後に妊娠(しかも双子!!)したことで立ち直れたのだと思います。

投稿: あむい | 2008年10月 9日 (木) 00時03分

↑何だか私のコメントも重いものになっちゃった。
明日が娘の誕生日なんです。生きていたら明日で6歳なので、いつもより色々考えてしまいました。
(あ、日本はもう今日だけど)

投稿: あむい | 2008年10月 9日 (木) 00時16分

あむいさん・・・ちっちゃい、ちっちゃい赤ちゃん、愛おしかったでしょう。苦しかったでしょう。あむいさんの当時の気持ちを考えると、私まで胸がしめつけられてきます。日本と香港では、こんなにも考え方が違うのですね。
確かに障がいに関する考え方は難しいことかもです。それでも私は本能的に産みたかった。でもそれは倫理的に理論的に考えたことではなかったのかも知れません。
双子ちゃんは神様がくれたプレゼントですね、きっと。
コメントありがとうございました。

投稿: komaru | 2008年10月 9日 (木) 05時48分

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