子どもが生まれてから、子どもに言うまいと決めている言葉が3つあります。
一つは「学校や勉強は大変」ということ。
マンガ『ドラえもん』の中でのびたが「あ~、学校に行くのいやだなぁ」「宿題なんかない国に行きたいよ」とつぶやくたびに、「子どもの前で言わないで~」とヒヤヒヤしたものです。
実際に小学校に入学したら、子ども自身が実感することなのでしょうけど、入学前から「学校は大変」「勉強するのはつらいこと」という意識をうえつけるべきではないと思うのです。
小学校に入学するまで、私は子どもたちにことあるごとに「もうすぐ小学校だね。よかったねー。学校は楽しいよ。勉強はとっても面白いよ。とってもとっても楽しみだね」と語りかけてきました。
「小学校に入学したら、早起きをしなくちゃいけないんだから、今から練習しておきなさい」とか「小学生になったら幼稚園生みたいに遊んでばっかりじゃないんだから、今のうちに遊んでおきなさい」とは絶対に言わないようにしていました。そんなことを言ってしまったら、小学校に入学することに夢も希望ももてなくなるじゃないですか。
小学生になって、子ども自身がどう感じるかは別ですが、少なくとも親が先入観を植え付けるべきではないと思っています。
今、双子は小学2年生ですが、最近は「小学3年生になったら、算数も国語ももっと面白いことを教えてもらうよ」「中学生になったら、部活とか楽しいことがどんどん増えるよ」と語りかけています。
双子自身は苦手な勉強もあるようですが、毎日はりきって登校しています。長い休みが終わる時はやっぱり未練がましいようですけどね。
子どもに言わない言葉、二つめは「仕事は大変」ということ。
学校を卒業すれば、いずれ子どもたちもそれぞれ仕事につくことになります。(ついてくれよ(^-^;))学校の時と同様に、仕事をすることが大変だという先入観をうえつけないよう気をつけています。
たとえば、仕事から帰ってきたら「あ~、今日も疲れたぁ」と思わず言ってしまいそうになりますよね。私、子どもが起きている時は言わないようにしています。子どもたちが寝静まって、夫しか起きていない時は思いっきり言いますけどね。
夫に双子育児をまかせて、フルタイムで働く私に子どもたちが時々こうたずねることがあります。
「ママ、お仕事楽しい?」
この問いにどう答えるか、正直悩みます。だって「楽しい」と言ってしまえば、「ママは自分の楽しみのために私たちを置いて行くんだ」と子どもが思うかも知れない。幼稚園に入園したとたん、うちの家庭は普通と違う!とカルチャーショックをうけていたようですから、その頃は特に悩みました。
でも、「仕事は楽しくないけど、ママは我慢してお仕事してるんだよ」とか「本当はさーちゃん・まーちゃんと一緒にいたいけど、仕方なくお仕事に行くんだよ」などと目先の子ども可愛さに言ってしまえば、「仕事って楽しくないものなんだ」「我慢してするものなんだ」という意識を子どもたちに植え付けてしまいますよね。
なので私は「うん、お仕事するのは楽しいよ。」とニッコリ笑って答えるようにしています。今の私の葛藤は、双子が人の親になった時、きっとわかってくれると信じて。
おかげでサーヤは「将来、サラリーマンになりたい」と公言しています。サラリーマンって、コーヒーを飲みながら仕事して、ご飯もお友達と楽しく食べて、楽ちんな毎日だと思っているのかも知れません。まぁ、いいか。
子どもに言わない言葉の三つ目は「大人は大変」ということ。
子どもから「大人はいいな。自分の好きな服を選んで着ることができるし、遅くまでテレビを観たり、お菓子を食べたりできるもん」などと言われることありませんか?
そんな時つい「大人だって大変なんだよ。子どもの方が遊ぶ時間も多いし、親がなんでもしてくれるし、子どもでいる時間を大切にしておかないと、後で後悔するよ」などと言ってしまいそうになります。
でもね、私はそんな言葉を飲み込むようにしています。
いずれ子どもはみな大人になるものです。そして子どもの時代はあっという間。人生、大人である時間の方が圧倒的に長いのです。誰もが避けられないこと。
そんな子どもたちに「子ども時代の方がよくて、大人になるのはつらいこと」という気持ちを植え付けるのはどうかなぁと思うのです。
それでこう答えるようにしています。
「そうだね、大人はいいよ。大人になったら、楽しいことがいっぱい待ってるよ。さーちゃん・まーちゃんもご飯いっぱい食べて、大人になるのが楽しみだね」
のれんに腕押し・・・?そんな風に答えると、子どもたちはもう議論をしかけてきません。
もちろん人生はいろいろなことがあります。楽しいこともあれば、つらいこともある。でもね、大人の苦労は親が言葉にして言わなくても、いつかきっと子どもたちにわかってもらえると思います。
その日まで、私は元気な大人でいたいと思っています。
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