3学期最後の日に
去年は4月1日午前0時に向けて仕事の大詰めを迎えていて、1月ぐらいから、どたばたの毎日を過ごしていました。丁度、今頃は「間に合うんだろうか」「何か見落としていることはないだろうか」と精神的にいつも不安で、がむしゃらに仕事に取り組みながら、気持ち的にも落ち着かない毎日を過ごしていました。
当然、家のことはいつも以上に夫の肩にのしかかりました。思い返せば、去年のまさに今日、サーヤがインフルエンザにかかったのですが、サーヤの看病とマーヤのお世話は夫が1人でこなしてくれました。私はあれこれ心配するだけで、何の役にもたっていなかったのです。
でもね、実は一度だけ、こんな「事件」があったんですよ。
幼稚園の終園式の日。その日もサーヤはインフルエンザでお休み。マーヤだけが登園しました。
会社の昼休み、昼食からもどった途端、私の携帯が鳴りました。出てみると、幼稚園の担任の先生でした。
「マーヤちゃんのお迎えがまだなんですが・・・」
「えっ?いつものように主人が迎えに行くはずなのですが、まだなんですか?えっと・・・自宅に連絡はとれないのでしょうか?」
よく考えたら、自宅と夫の携帯に連絡がとれないから、私の携帯にまで電話をかけていらっしゃったんですよね。その時はあせってしまい、変な受け答えをしてしまいました。
「はい、何度かかけているんですけど、どなたも出られなくて・・・」と先生。
もう私の頭はパニック!
家に誰もいないって、サーヤの具合が悪化したの?でも、それだったらマーヤのお迎えをおばあちゃんに頼んだりするはずだし・・・。
「わかりました。なんとかしますので、もうしばらくマーヤを預かっていてください」
と私。
午後も仕事の予定がビッシリ。午後一番で来客の予定も入っています。想定外の事態に「どーする?どーする?」状態の私。保育所にお子さんを預けて働いていらっしゃるワーキングマザーの方たちは、しょっちゅうこんな事態に見舞われるんですよね。私の狼狽ぶりは笑われそうです。
とっさに義母に電話して、マーヤのお迎えに行ってもらおうと考えましたが、多分、このまま私が幼稚園に向かう方が早い。夫とサーヤがどのような状況になっているのかわからないし、このまま会社にいても落ち着かないと思い、午後の予定を大急ぎで調整して、上司に報告したうえで、会社をとびだしました。
電車に乗って、駅からはタクシーに乗り、幼稚園に到着。その日は給食も延長保育もない日だったので、幼稚園に残っているのは先生方とマーヤだけのようでした。
おなかをすかせて、不安だったでしょうに、マーヤは私の顔を見るとニコニコ顔でとびついてきました。
先生に何度もお礼を言って、1年間お世話になったご挨拶もして、幼稚園をあとにしました。とりあえず、マーヤを自宅に連れて帰らなければ・・・。
マーヤは泣きもせず、とっても嬉しそうでした。小さなマーヤの手をギュッと握りしめて、自宅まで歩いて帰りました。
「おうちに帰る途中でコンビニに寄ってパンを買って帰ろうねぇ」と話していると、マーヤが一言、「おしっこ」。
近くのコンビニにはトイレもあるので、「そこまでガマンしてね」と励ましながら、早足で向かいました。でも・・・。
コンビニの駐車場にさしかかったとたん・・・「ママ〜、でちゃった〜」。
あらあら。
子供は時間の計算ができません。「もうすぐお迎えにきてくれる」「もうちょっと待ってたらパパかママが来てくれる」と幼稚園で1人、トイレにも行かずに待っていたのかと思うと、マーヤがとても愛しく思えました。
初めてマーヤはワアワア泣き出しました。いろんな気持ちがふきだしたのかも知れません。マーヤが可愛くて愛しくて、私はその小さな肩を抱きしめました。
そのあと、コンビニでお昼ご飯のパンとお菓子を買い、自宅に戻ると、玄関で夫と鉢合わせになりました。私とマーヤの姿をみて、かなり驚いた様子です。
インフルエンザにかかったサーヤの連日の看病で疲れが出たのか、11時頃からサーヤと一緒に添い寝をしているうちに、熟睡してしまったそうです。気がつくとお迎えの時間をとっくに過ぎていて、あせって飛び起き、慌てて着替えて、まさに玄関から飛びだそうとした瞬間だったとか。
その後、マーヤを着替えさせ、ぬれた制服をバケツにほうりこんで、私はまた会社に戻り、夜中まで働きました。
「忙しいのに勘弁して」とは不思議に思わなかったんですよ。時間はロスし、まわりの方々にも迷惑をかけてしまいましたが、初めて母親らしいことをしてやれたような誇らしい気持ちすら感じたのです。
私の大切な大切な思い出の1つです。
【Photo】ママがお迎えにきてくれて嬉しかったよ(マーヤ)
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