七夕の日に思うこと
「さーちゃんね、願いごと書いてなかったよ」
幼稚園でも短冊を書いたのでしょう、マーヤがこっそりそう教えてくれました。願いごとは書かず、ぐちゃぐちゃの絵を描いていたそうです。
家でもマーヤは「おはなやさんになりたい」と書いていましたが、そういえばサーヤが書いた短冊はありません。
「サーヤは何をお願いするの?」
そっと聞いてみたのですが、ちょっとうつむいて「わかんない」と答えるだけ。なりたいものじゃなくても、「キティーちゃんの○○が欲しい」とかないのかなぁ・・・。
子供たちが寝静まってから、夫が言いました。
「サーヤは生きてるだけでいっぱいいっぱいなんや」
双子とはいえ、子宮口の近くに着床したサーヤは、いつも流座の危険性にさらされていました。胎盤をマーヤと共有していたのでしょうか、栄養のまわり方に偏りがあり、胎内でもサーヤはいつもマーヤより1割〜2割ほど推定体重が少なかったのです。
妊娠中、私たち夫婦の願いは「二人そろって無事に生まれてきて」。ただそれだけでした。
切迫流産そして切迫早産となり、2度の入院を経て、安静に安静にしていたにもかかわらず、妊娠34週を迎えた時に主治医の先生からこう言われました。
「小さい方のお子さんの成長が止まっています。まだ安心できる状態ではありませんが、胎内から出して保育器で育てましょう」
そして35週で出産、サーヤ1800g、マーヤ2300g、二人ともNICU(新生児集中治療室)に入れられました。
特に小さかったサーヤは心臓の弁が閉じておらず、トラブルが予想されました。
マーヤと一緒に幼稚園に行けるまで大きくなって欲しい・・・。ガラスごしに小さい赤ん坊を見つめながら、ただひたすら願いました。
その後、何度も心臓の検査を繰り返していますが、特に大きなトラブルもなく、サーヤもマーヤも大きくなりました。二人そろって幼稚園に入園し、元気に毎日を過ごしています。
「まーちゃんと一緒に生まれたい」・・・私のおなかの中でサーヤはひたすら願っていたのかも知れません。そして願いはかなったから、もうお願いすることがないのかな?
私も神様へのお願い、もう、し尽くしたかも知れない。
一つかなえば、また一つ願うことができるとすれば、二人とも元気で大きくなりますように・・・。ただ、それだけ。
【Photo】サーヤの夢は〜♪もう、かなーったの〜♪(サーヤ)
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