よその子ごっこ
パパとマーヤが朝寝坊していた朝のことです。私とサーヤは二人で遊んでいました。サーヤをキューっと抱きしめて「あー可愛い。ママ、こんな子が道に落ちてたら絶対に拾うわ」などと言って遊んでいました。
しばらくすると、部屋の片隅にサーヤが仰向けに寝っ転がっていました。私はその横に跪いて「アラ、こんなところに女の子が落ちてる」と言いながらサーヤを抱き起こします。
「あなたお名前は?」
「サーヤ」
「お父さんはいないの?」とたずねるとサーヤは悲しそうな目をして、首を横にふります。
「お母さんは?」またまた首を横にふり、かぼそい声でこう言うのです。
「パパもママも戦争で焼けちゃったの」
「まあ可愛そう。じゃあ、おばちゃんのおうちに来る?あなたと同い年ぐらいのマーヤちゃんという女の子がいるんだけど」サーヤはこくんとうなずきました。
するとマーヤがトコトコ起きてきました。
「あ、まーちゃんおはよう。この子ねサーヤちゃんって言うの。お父さんとお母さんが戦争で死んじゃったんですって。これからママのおうちで一緒に暮らすから仲良くしてあげてね」寝ぼけまなこのマーヤもこくんとうなずき、「私のおもちゃ貸してあげるからね」などと言いながら、サーヤと一緒に遊びはじめました。
またまたしばらくすると、今度はマーヤが部屋の隅っこに気をつけの姿勢で寝っ転がっていました。
サーヤと同じように抱き起こして「お父さんとお母さんは?」と聞いてみると、「パパもママも死んじゃったの」と言いながら、デリケートなマーヤの目には涙が浮かんできました。あらあら。いきなり両親をなくしたシチュエーションに感情移入してしまったもよう。
こんなバカな遊びができるほど、我が家は平和で幸せです。
【Photo】あたしのパパとママ死んじゃったの(マーヤ)
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