小さい子
「ピアノもマーヤの方が上達が早いな」
子供たちが寝静まってから夫が私に言いました。
「今日なんかマーヤがサーヤの横で楽譜を指さしながら『ドー、ドー、レー、レー』って教えてやってた。身体が小さいというのは、やっぱり成長にも影響するんやな」
長女のサーヤはおなかの中にいる時からマーヤよりも1〜2割小さめでした。子宮の中で着床した位置や双子ゆえ胎盤からの栄養の取り合いなども影響したのでしょうか、35週で生まれた時にはサーヤは1800g、マーヤは2300gでした。
ともにNICU(新生児集中治療室)に入りましたが、マーヤは1週間で母子同室となり、サーヤはさらに2週間かかりました。
もうすぐ4歳になる今でも体重差は2kg、身長差は4cmもあります。身体の成長だけでなく、いろんなことがマーヤよりも3ヶ月ほど遅れてしまいます。
歩き出すのも4ヶ月ほど遅れ、一時期は私が会社から帰ってくると、マーヤはトコトコ歩いて、サーヤはその後ろからハイハイして玄関まで迎えにきてくれていた光景を今でも時々思い出します。
でんぐりがえしができるようになったのも、クレヨンで「顔」を描けるようになったのもマーヤの方が先でした。歌もマーヤが先に覚え、サーヤはそれを真似して歌っています。
このように書くと、私がサーヤの成長の遅れを気にしているようにみえますか?いえいえ、むしろこの成長の差を愛しく感じているぐらいです。サーヤはいつもマーヤができるようになったことを自分もできるようになろうと努力しています。そしてマーヤもどうやったらできるようになったのか自分なりにサーヤに教えてやっているようです。
成長は遅れをとりがちですが、「顔」の絵が描けるようになったとたんサーヤはとても面白い絵を描くようになりました。外国の児童書の挿絵に使われているようなちょっと変わった画風です。歌もサーヤは自分で作詞作曲して歌ったりします。トンチンカンな歌ですが思わず苦笑してしまうような歌もあります。成長の遅い子は遅い子なりに、面白い個性をもっているんだなあ、と思います。
未熟児で生まれる赤ちゃんが増えているそうです。未熟児でなくても成長が遅いお子さんもいらっしゃることでしょう。でも、子供たちはそれぞれのスピードで前に前に進んでいこうとしています。
お父さん、お母さん、どうぞ愛情いっぱいの目で見守ってあげてください。
【Photo】左奥がサーヤ、右がマーヤ。いつか二人で上手に連弾してくれる日がくるのかなあ。
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